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BAJ★ミャンマーブログ

ミャンマーで活動するNGO駐在員の日記 (ヤンゴン、ラカイン、パアンから)

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BAJミャンマー駐在員

Author:BAJミャンマー駐在員

~アジアに架ける橋~
特定非営利活動法人ブリッジエーシアジャパン(BAJ)は、技術訓練や収入向上支援、生活環境の基盤整備を通しアジアの困難な状況に置かれた人々の自立を支援しています。

こちらのブログではBAJのミャンマー駐在員が活動を紹介しながら日々の出来事、喜び、驚きを日記にします。

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2012.12
26
Category : ラカイン州
6月にミャンマー、ラカイン州のマウンドー、シトゥエでラカイン族、ベンガリ(自称ロヒンジャー)の両民族の間で衝突が起きました。その民族間紛争はラカイン州のあちこちに飛び火し、ミャンマーの大きな問題になりました。各地での衝突で亡くなった人は150人近くにもなり、放火されて消失した家屋は数え切れません。

政府と国連機関、国際NGOが住む家を失った人々への救済に乗り出しましたが、クリアーしなければならない問題が山のようにあり、被災民の多くは未だ避難所でのテント住まいか、親戚、知り合いの所に身を寄せていると言う状態で、救済事業は遅々として進んでいません。

BAJは約3ヶ月前にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)からシェルター建設の依頼を受け、私は3ヶ月間で111軒の家屋建設が可能と答えました。今年中の完成です。そこから、予算や建設資材調達の難しい問題をクリアーして、最終的に80軒の恒久的シェルター、つまり、木材と竹、少量のコンクリートを使用した木造住宅を建設する事になりました。この地域の低所得者の住む、高床式でトタンの屋根を載せた家よりも立派なものです。

建設作業は実際には11月1日になって始められました。つまり2ヶ月で80軒の家を建てるということで、1ヶ月で40軒、一日あたり1.3軒となります。誰もこんなことが可能だとは思ってはいなかったと思います。しかし、私にとってはそれが100軒だろうと200軒だろうと同じ事で、このマウンドーで17年間活動を続けているBAJの能力に自信を持っていました。

一番の問題は建設資材の調達でした。これが、私がマウンドーで活動をし始めた頃の事でしたら、地域の権力機構と話をつければ権力機構のほうがそのBAJの事業に対して協力をしてくれました。
今、ミャンマーは民主化の方向に進んでおり、権力という行政の責任があちこちに分散され、一人の人が「良い」と言っても他の人が「駄目」と言って物事がなかなか動きません。
建設資材の中で主となる木材は、林業省関係の地方事務所、認定された数少ない材木商が顔を縦に振らない限り入手できません。

今回の緊急住宅建設が被害を受けた人々のためと言っても、事は右から左にスムーズに動く訳ではありません。それぞれ皆、自分の利害で許可を出したり出さなかったりします。

この事は他の世界と何ら変わりはありません。

この状況の中でもBAJはラッキーです。多くの人がBAJの仕事を認めてくれて協力の手を差し伸べてくれます。
この中でもBIHQ(ボーダー・イミグレーション・ヘッド・クォーター=国境出入国管理本部)の司令官と、マウンドーのディストリクト・コミッショナーは特に協力的で、BAJの仕事を外から支えてくれています。もう、ありがとうございますの一言しかありません。

今の段階で、この建設に着工して作業を進めているのはBAJのみです。大手の国際NGOでさえ建設作業を始められていません。

私としては、早く他のNGOにもこの住宅建設に着手して欲しいと思っています。他のNGOが同じ仕事に参入して来てもBAJはその質に於いて負けない自信があります。
反対に競争相手がいないとBAJのレベルを内外に認識してもらう事が出来ません。

モヤワディの建設現場では、150人以上の作業員が働いています。時によっては200人近くになる事もあります。作業員は大工,左官の職人さん達とその手伝いをする労働者の人達です。
作業員はそれぞれモスリムチーム、ラカイン人チーム、ミャンマー混成チーム、日雇い労働者の何処かに属しています。

モスリムチームは前からBAJの建設プロジェクトに参加している経験豊かな職人さんが大勢いる、ベンガリ(ロヒンジャー)人のチーム。仕事は速いし正確で、BAJの中でも一番。ラカイン人チームは皆ラカイン人で、BAJ外部から参加している人達です。三番目は焼け出されたモヤワディの村の人で、大工さんを中心に組織したチームです。村人の出身地はそれぞれ別々ですが、放火で消失してしまった自分達の家を自分達の力で再建しているという事になります。

今回の民族紛争の敵味方が、一つの現場で仲良く?働いていると言う事です。寝る所も、食べる物も一緒です。一ヵ月半にもなりますが、一つの喧嘩も起きていません。お酒に酔って大声を出すラカイン人がいたそうですが、騒ぎが起きている訳ではありません。

他のNGOは、こんな一見リスクの高そうな作業員の編成はしないと思います。考えもしないと思います。

今日は12月16日、家の柱の基礎の工事は80軒分すべて終わっています。柱と梁が組みあがっている家が75軒、トタンの屋根が完成している家が73軒、竹で編んだ壁と合板の家の中の間仕切りが終わった家が60軒、事業全体の進捗度は85%と言う所です。あと2週間の間に何かとんでもない事が起こらない限り80軒の家は予定通り完成します。2ヶ月間で80軒の家です。400人の避難民が不便で窮屈なテント生活から開放されて通常の生活を送れるようになります。

今これを書いている私は、BAJマウンドーを誇らしく思っています。それをサポートするBAJシトゥエを誇らしく思っています。

こんな素晴らしいチームが世界の何処にあるでしょうか!
こんなに素晴らしい部下を持つ私はしあわせです。

Permanent Housing Construction



世の中とはままならないもので、これを書いた後に、建設資材の木材の現場へ輸送が遅れている事が分かりました。これを解決しないと大口をたたいた事を恥じなければなりません。

如何しましょう???如何にかしなくては…。


簑田健一

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