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BAJ★ミャンマーブログ

ミャンマーで活動するNGO駐在員の日記 (ヤンゴン、ラカイン、パアンから)

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BAJミャンマー駐在員

Author:BAJミャンマー駐在員

~アジアに架ける橋~
特定非営利活動法人ブリッジエーシアジャパン(BAJ)は、技術訓練や収入向上支援、生活環境の基盤整備を通しアジアの困難な状況に置かれた人々の自立を支援しています。

こちらのブログではBAJのミャンマー駐在員が活動を紹介しながら日々の出来事、喜び、驚きを日記にします。

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2014.06
11
Category : 中央乾燥地域
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まだ「逸水」は続いています。掘削は可能なのですがスピードが極端に落ちています。泥水も大量に消費するので効率も落ちます。じりじりとした焦燥を抱えながらも出来ることを淡々とやり続けています。

しかし泣きっ面にハチではありませんが、今度は別の問題が発生しました。泥水ポンプの破損です。くり返し言いますが、掘削は泥水を循環させて行ないます。したがって泥水を送り出す強力なポンプが必須になります。BAJが使用している泥水ポンプはワタベウェディング様よりご寄付頂いたもので、かれこれ10年近く使用している年季物です。日本製で品質が良く、スペアパーツを時々東京で買い足して使い続けています。

それがつい先日のことですが、どんどん減っていく泥水プール(ピット)を見つめていたら、とつぜん泥水ポンプのホースとポンプをつなぐ接続部がはじけ飛びました。

泥水ポンプの故障

こわれたパーツ

見ると摩耗して千切れたという感じです。とうとう来たか、どうするか、オリジナルパーツを調達するとしたら時間が掛かる、それにいくら掛かるのかも分からない。しばらく思考がとまりました。掘削も中断です。しかし、現場の掘削チームは黙って手を動かし続けていました。くっついた破片をハンマーとのみでこそげ落とし、全く別の資機材の部品を持ってきて、代用できるかを試しています。

そしてそれがどうやら成功しました。私はそれをただ見守るだけでした。

ミャンマーの中央乾燥地の困難の一つに資機材のスペアパーツが手に入りにくいという状況があります。輸入許可が必要だったり、高価で手が出ないというのが主な原因です。では、そうした部品が壊れたらどうするのか。NGOのサポートや外部の援助がなければ「持続性」は確保されないのでしょうか。半分は本当で半分は違います。BAJの掘削チームは、元々資機材の調達が不十分な状況を当たり前に対応してきた人々です。実践的な知恵で乗り切ることが彼らの通常の構えです。手に入らないパーツにあれこれ思いを巡らすよりも、手を動かしながら今あるもので試行錯誤して対応する。それが基本。

日本人駐在員としては少し複雑です。現場の実践の知恵が必ずしも当該の資機材そのものにとってよい対応なのかどうかは分からないからです。深刻な場合はもちろん日本のNGOとしてのアドバンテージを活かして高価なパーツを手配することができます(実はこれも言うほど簡単ではないですが)。しかし、何かが起こってからでは大抵遅すぎます。掘削では特にそうです。一度掘り進めたら作業を長期間ストップすることは困難です。井戸孔の形状を長期間保持することが難しいからです(また次の掘削スケジュールに影響が出るという、なかなか見逃せない理由もあります)。実際はこうした実践的な知恵がないと乗り切れません。そして「持続性」という意味では、実践的な知恵がまさしく大きな価値を持ちます。海外からの援助がないといつまでも貴重な機材を手配できないというのは状況として良いのか悪いのか。経済レベルや物流の状況が違うのだから仕方ない側面があります。途上国とはそういうものかもしれません。この国に住む人々が一番忸怩たる思いを抱えていると感じます。それに私はこうしたある種の依存が決して悪いことだとは思いません。「持ちつ持たれつ」です。むしろアジア的な感性で素晴らしいとさえ思います。日本とアジアの歴史的背景もあります。国際協力の原点に触れる部分です。しかしお金やコネがないと手配できないなんていうのは現場が持つべき認識としては適切ではないでしょう――目の前であっという間に問題を解決してしまった彼らを見ていろいろ頭が沸騰しました。

そして今日も彼らは泥のように眠るのでしょう。
(実際に泥のように眠る姿を見たことがないので失礼な話ですが)

このシリーズはひとまず終わります。逸水が一日も早く収まり彼らのこうした奮闘が報われることを日本の皆様にもお祈りいただければ幸いです。

チャウンバードウ村については引き続きブログで報告していきます。

DSC_2912.jpg


追記:
最後によけいなことを書くと実はこれは1週間ほど前に書いた文章でした。ネットや電気の不調でアップできなかったのでした。

そして、ホントの最後にうれしい報告を書きますと、6月11日現在、掘削チームは逸水に苦労しながらも帯水層に到達できました! お祈りをいただく必要はなくなりました。明後日にケーシングパイプを設置して井戸孔内洗浄を実施する予定です。水と泥水が一緒に噴き上がる様子を掘削チームと村の人たちと一緒に祝いたいと思います。


正治
(マグウェ駐在員)

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